2021/06/30 11:15
チョコレートは冬の食べ物なので、正直夏はあまり需要がありません。
蒸し暑い時期などには、ゼリーやアイスクリーム、ようかんなどの水菓子を食べたいと思う人が、
ほとんどだと思います。でもチョコレートが本当に好きな人というのは、一年中食べています。
そのぶん、味に肥えていたり、チョコレートのことをよく知っている方が多いのではないかと思います。
チョコレートの知識があると、微妙な味の差異がわかったり、チョコを見たり触ったりするだけで、
どんな味なのかを見抜けるエキスパートも存在するのも事実です。
チョコレートの味を大きく決定づけるものは、やっぱり原料であり、主原料になるカカオ豆で、
カカオ豆を発酵、乾燥、焙煎、粉砕してペースト状にしたものをカカオマスと言います。
このカカオマスがチョコレートの味を左右させる原料であり、
よく「〇〇産カカオを使用」などの表示を目にされたことがある方も多いのではないかと思います。
カカオマスの味を決めるのには、3つポイントがあると言われます。
①カカオ豆の品種 ②土壌及び産地 ③産地での発酵具合
この中でも最も重視されるのは、②です。
なぜならば、①の品種が同じであっても土壌や産地が違えば味が変わってきますし、
③も発酵にかける日数や混ぜ方が違うとそれだけで味が変わり、発酵時の菌の存在は産地によって変わるから、
味も変わるため、②に影響してくるからです。
カカオマスの原料のカカオ豆の産地は世界の大産地は4つの地域で、アフリカ、東南アジア、中南米、カリブ海です。
地域でも国によって違うので、主要国で見てみると、こんな感じです。
<アフリカ>
コートジボアール・・・柔らかな苦みでバランスが良い。ピーナッツのような香ばしい余韻。
ガーナ・・・心地よい苦渋みと香ばしさのバランスが抜群のスタンダード。日本に輸入されるカカオ豆の70%がガーナ産。
マダガスカル・・・爽やかな酸味と果実や花のような香りが折り重なる、華やかな香り。
<中南米>
メキシコ・・・スッキリした酸味と力強い渋みと苦み。フルーティーさとまろやかな香ばしさも伴う。
コロンビア・・・ワインのような濃厚な香りと果実感のある酸味。後から苦みが来る。
ブラジル・・・甘い香りとドライフルーツのような酸味とコクが特徴。
<カリブ海>
ドミニカ共和国・・・ローストナッツのような焙煎香と濃厚なコク、バランスの良い苦渋みと酸味。
トリニダードトバコ・・・ナッツ、コーヒー、レーズンなどの香りが広がるバランスのとれた味。
(参考文献;「チョコレート辞典」 Dolceria 香川理馨子 著、千住麻里子 監修)
それぞれの地域によって、味が違うことがわかると思います。
最初からこんなにわかるのは難しいことで(私もほとんどわかりません)、
少しでも「このチョコレートのカカオはどの国原産なんだろうか?」と興味を持って、
原材料の表示などを見てみると面白いのではないかと思います。
今回お勧めするチョコレートはイタリア産のチョコレートで、
ヘーゼルナッツのチョコレートです。